アイノワノート  

原始機での織物&うかんだことをカタチに

終わりは始まり

めっちゃご無沙汰のブログです。

というのも、長男の大学受験のことやら、卒業して思うことなどなど、

私の心がざわざわしておりました。

 

卒業式に出席して思ったのですが、もう子育ては本当に終わるのだな、と

(気付くの、めっちゃ遅いんですけどー。)

 

大学は自宅からも通えるのですが、元夫のところからのほうが近いので

たぶん行ったり来たりするでしょう。

もう一人高校生の娘がいますが、やりたいことがあるそうで

高校卒業してすぐ、自宅を離れることになるかもしれません。

 

そんなに現実的に考えたこともなかったので、心の準備ができてなくて、

子育てに割とドライな私でも寂しくなるんだな、と軽く驚いています。

 

小さな子が目に留まると懐かしく、とても愛おしい気持ちを思い出して

もう一人の自分に問うてみるのですよ。

もう一回、子育てできるなら1年間だけ戻りたいな、と。

幼稚園に行く前くらいがいいかなぁ、とか

妄想しておりました。

 

赤ちゃんだったわが子を連れていると、すれ違うおばさん達にいつも

同じような言葉をかけられていました。

「今が一番いい時期ね~、あっという間よ。」って。

 

その時ってまだまだ未熟で、毎日がいっぱいいっぱいで、

子育てが一生続くんだ!っていうくらい気持ちの余裕もなくて。

あの言葉、悪気はなくて、今思うと確かにそうなんだけど

当時の私には、ちょっとだけ違和感がありました。

楽しいけど、しんどさのほうが大きかったんでしょうね。

 

子どもと同じ年齢分、お母さん年齢になるのですから、

未熟でも仕方ないですが、今更ながら、こうしておけば・・・

とか、めずらしくそんな気持ちになりました。

こんなおかあさんでごめんな、と、子ども達に申し訳ない気持ちも少しあったり。

 

そんな経験をした方々だから、昔かけられたこの言葉になるんだな、と

今ならわかる気がします。

 

この時期は別れの季節でもありますが、終わりは始まり。

始まるために必要な終わり、ですね。

 

 

 

 

 

ミャオ族の紐のお話し オンラインセミナーに参加しました

なんか久しぶりです。

息子の受験モードに引っ張られておりました。。。

 

 

SNSで偶然見つけた「旅とテキスタイル」さん主催・鳥丸知子さんのオンラインセミナーに参加しました。

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東京の「ハコギャラリー」で開催されたのですが、遠方ですし参加できない距離ですが、

オンラインで参加することができてラッキーでした。

(このご時世、いい面にフォーカスするとオンラインってありがたいです。)

 

特にミャオ族に興味があるわけではないのですが、このタイトルにビビビッときまして。

ベルトや紐好きなんです、わたし。

なので、星野先生のところでも最近はその技法ばかり教えていただいてて。

なぜ魅かれるのか、その理由がまた増えた感じです。

自分の中で答え合わせができていくようでした。

 

民族衣装や生活には、紐、ベルトが必需品で、もちろん手織りされてるのですが、柄にも意味があり、祈りや願いが込められています。

 

それは他の地域のどの民族とも共通してることが多いなと感じました。

人類の本質なんだと思います。

 

ミャオ族の人達のベルトの柄の意味合いは、自分の村、地域の目印だったり

自己表現だったりするそうです。

織り方もいろいろあるようですが、その技法も自分の娘たちが織りやすいように

わかりやすくして、後世に伝えたそうです。

 

わずか数センチの幅にそんな想いが込められてることに、改めて感銘を受けました。

愛がなければできないことです。

こんなに手間ひまかけて身の回りのものを作ることって。

 

あ~ やっぱりいいな。

 

私自身、面倒くさいことが大嫌いですが、やってることはとても面倒くさいことなんですよね。

(大嫌いなことも本当は関心があるってことなんですって。関心のないことには心が動きませんから)

 

心動かされることは、面倒くさいこと。

高機で織ることよりも原始機に惹かれるのは、そういう理由です。

 

糸や織布のこと、知れば知るほど深みにはまってゆくのです。

 

話しは変わりますが、最近、本を読みます。

ネットで調べてもわかることは多いですが、もっと深堀りするには、本を読むことだと

思うようになりました、今更( ^ω^)・・・

 

本をほとんど読まない人だったんですが、最近心にひっかかることが

「本」でして。

 

自分の時間がもっと欲しいと常々思います。

ボーっとする時間も好きなので、それも含めて。

贅沢なことですが、そういうことを感じることができることもありがたいです。

 

 これからの私に繋がることすべてに感謝。

 

 

この講座に参加したことからすべては始まった③

それからというもの、織りを学びたくて教室や書籍を探しました。

 

ainowa-hilo.hatenablog.com

 

 

妹が織りを習っていたので、見学に行かせてもらおうとしたり、

(でも何か違うな?という感覚を持っていました。)

隣町の教室に見学も行きましたが、生徒さんがいっぱいで織機に空きがなかったり…

 

気になる本も何冊か取り寄せました。

たどり着いたのが「spinnuts」さんが出している本。

 

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私が織ってみたいものからさかのぼって、探しました。

 

「星野利枝の原始機 いつでもどこでもweaving」

 

この本との出会いが、今の私に繋がります。

 

原始機という初めて聞いた織りでしたが、気になりました。

教室もされていて、家からも通える距離。

早速メールで連絡を取り、見学させてもらうことに。

 

見せてもらって、即決で通わせてもらうことにしました。

 

↓  原始機の仕組みはこんな感じです。

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(写真、ピントがぼけてすみません)

(~星野利枝の原始機いつでもどこでもweaving~から抜粋)

 

経糸を張ったものを、腰にベルト状のものを引っ掛け、一体となって織ります。

腰機とか、いざり機ともいいます。

 

必要なものは、棒などのほんとに簡単に手に入るもの。

なのにものすごく複雑な織りができます。

それに惹かれました。

織りかけのままでも、くるくると丸めて持ち運べます。

 

ただ難点は、織り始めると動けないことと、織れる幅は限られます。

私はその不自由さも含めて好きなんです。

 

星野先生はグアテマラに10年ほどいて、現地の織物を習得されました。

マヤ織ともいわれます。

その第一人者の方です。

 

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星野先生の本の見開きページです。

 

この鮮やかな織物も原始機で織られています。

 

知識も豊富で、疑問に思ったこともなんでも答えてくれます。

話しを聞いてると、とても楽しくて時間を忘れてしまいます。

 

変わったものを織りたがる私ですが、どんな変化球も受け止めてくれる、

一番尊敬している師匠です。

 

星野先生にはもちろんのこと、この本を出されてるspinnutsさんにも

感謝しかありません。

 全てが奇跡みたいで、本当にありがたいのです。

 

 

「織ることは祈ること」

 

星野先生の本の中にこんな文言があります。

 

 この言葉に近づけるような織る人になりたいです。

そしてそれを伝える人にも・・・。

 

 

 

私は言葉にすることが苦手で、いつもとてもつたない文章なのですが

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

 

少しでも皆さんに思いが伝わるように、身に着けるとホッとできるような

嬉しくなるような、そんなオリジナルな作品を

これからも自分と対話しながら、つくり始めたいと思っています。

 

 

 

 

 

 

この講座に参加したことからすべては始まった②

 

またまた続きです。

 

 

ainowa-hilo.hatenablog.com

 

右も左もわからない中、染色や織物のツワモノの方たちに紛れて参加してました。

で、講座の合間に、講師の先生が世界各地の古布を見せてくださいました。

以下の写真は、講師の井関和代先生のコレクションです。

博物館にあってもいいほど貴重なものでした。

それはそれは、ときめいた時間でした。

 

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どこの国のものか忘れてしましました

  

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これはコプト織り。ミイラが包まれていた布だそう。

とても大切に葬られたことが伝わります。

「包む」という気持ちって、人間の本能なのかもしれません。

 

 

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キリム かわいい絵柄 とってもすき。

 

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中東のお香入れだったように思います。

 

まだまだあるのですが・・・この辺にしときます。

(興味ある方は、リクエストください( ^ω^)・・・)

 

 

 

で、これを見たとき・・・!

 

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鳥肌が立ちました

 きっとこの古布は、手で紡いだ糸を染色して手で織られたもの。

こんな手の込んだことを、大切な家族のためか、

暮らしを少しでも楽しもうとする思いからかはわからないけど、

そういう先人の思いが一気に伝わりました。

 

なんて素敵なんだろう…言葉にならない気持ちでした。

 

湧き上がってくる「すごい」という感動的な気持ちと、

 同時に、「織りたい!!」という衝動が突然湧いたのです。

 

織りなんてやったこともないし、めんどくさがりの私には

どちらかというと織りは向いてないし、関心がないふりをしていたように思います。

 

家に帰っても、ずーーーーーっと、その感情が離れなくて、

なんでだろうと、思いめぐらしていました。

今まで好きでやっていたこと、仕事など思い出しながら…。

 

そしたらすべてが繋がったんです。

 点と点が・・・それは見事に繋がって線になって…

 

自分自身が教えてくれました。

 

なぜだか涙があふれて止まらなくなりました。

 

 

3年かけて気づいたことですが、

昔の人の織物はとても自然な愛のカタチだと思います。

想いが伝わる、そんな作品を作ってみたい。 

私はこれを伝えたい・・・

 

 

 

それからは、織りを学べる場所探しや、資料を取り寄せたりして、

織物への第一歩が始まるのでした・・・。

 

 

 

 

 

 

この講座に参加したことからすべては始まった~藍染め体験番外編~

 

 続きなので、よかったらこちらもどうぞ。

 

ainowa-hilo.hatenablog.com

 

 

3回の講座のうち1日は滋賀県野州市にある「紺九」さんで藍染め体験をしました。

藍の栽培から全てこちらの工房でされています。

 

藍染めは昔から、色を付ける意味だけでなく、防虫や殺菌効果、

そのほかにも布を丈夫に保ったり、薬効や殺菌などの効果があり

武将や農民の人達が身に着けていました。

あとは燃えにくいので火消しの半纏や、海水にも強くて漁師さんの晴れ着も

藍染めだったそうです。

 

 

以下の写真は紺九さんにて。 

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藍甕と、すくも

 

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この泡が「藍のはな」

完全に藍が建って、撹拌すると泡がでてこうなるそうです。

 

15名ほどが藍染めをさせてもらうので、大切な藍に負担をかけないように、

講座で用意した、みんな同じ絹の布を染めさせてもらいました。

 

3月でまだ寒い中、とても冷たい藍の甕に手を入れると、

少しとろみもあり、どことなく温かみも感じるような不思議な感触でした。

 

染める回数で色に濃淡が出ます。

それぞれ違う表情の藍の色に染まりました。

 

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風になびいて、とても綺麗でした。

 

空気に触れることで酸化して、青くなります。

まさしく化学の世界です。

 

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紺九の4代目 森義男さんと息子さん、右は藍の花

 

いろいろと丁寧に説明してくださいました。

国選定保存技術保持者で、文化財の修復にも携わってるそうです。

 

 

ざっくりですが、藍が染めれるようになるには・・・

 

① 収穫した藍の葉を乾燥させて水をかけたりして約100日発酵させ、

  すくも(染料になるもと)をつくる。

② すくもと灰(紺九さんでは椿など燃やしたのを使うそうです)や、

  石灰、酒、ふすまなどを混ぜて、さらに発酵させる。

 

すごく省略してますが、こんな感じです。

本当に長い時間と手間ひまをかけて作られています。

 

日本だけでなく方法は変わっても、海外にも藍の染色技術はありますが

ジャパンブルーと言われるだけあって、日本の藍の美しさは格別な気がします。

  

 

 

あれからもう4年近く経とうとしています。

 

 

この講座に参加したことからすべては始まった ①

織物との出会いをくれたきっかけは、2017年3月に染色の講座に参加したことです。

 

妹が、藍染めも体験できる、3回の染色講座の募集のフライヤーをくれて

お!行ってみたい、思ったのです。

 

藍染め体験がしたい!と思ったのが、大きな参加理由でもありました。

なんとなくだけどやってみたい、と。

 

中上級者向けと書いてあったのが、気にはなりましたが・・・。

 

 

電話申し込みの際、初心者なことも伝えましたが、参加OKとのこと。

持ち物には「絹糸か羊毛糸を綛(かせ)にして○○g」とあり、

何も知らない私は、普通の毛糸玉 (編み物用)を持って行ったのです。 

 

「綛」という言葉も聞いたこともなくて、

だからか毛糸玉でいいんだ、と勝手に思い込み、何の疑いもなく

綛ってなんですか?っていう、疑問すら浮かばず・・・。

 

綛というのは、写真のような状態で、一定数巻き取られた糸のことなんですが、

 

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他の参加者さんは、何度も参加されてる織物や染色経験豊富な方々ばかりで、

もちろん、みなさん綛の状態の絹糸や羊毛の糸を持ってきてはるわけで・・・

 (持って行った毛糸玉は、スタッフの方が綛にしてくれました。)

 

伝説になってるかも・・・わたし。

 今思うと、めっちゃ恥ずかしい・・・

  場違いのところに飛び込んでしまった後悔の念もちょっぴり感じつつ・・・

 

 

そうして講座が始まりました。

 

 

 

 

 

 

これからはアイノワのことも

1月11日ぞろ目ですね。

 

このブログを始めたきかっけは、織物で自分を表現していき、

皆さんと繋がりたい・・・という思いがきっかけでした。

 

そのことにあまり触れていないなぁ、ということに気づきまして。

 

今年は、自分の望みを実現していきたいと思っています。

イメージはできているのですが、自我が邪魔して

昨年は、なかなか発信することができませんでした。

 

でもでも!力を入れすぎず( ^ω^)・・・ですね。

 

次回から、今まで通り日記みたいなことも織り交ぜつつ書いていこうと思います。

 

引き続き、お付き合いいただけると嬉しいです。