アイノワノート  

原始機での織物&うかんだことをカタチに

捨てておく

好きな言葉のこと。

 

2年位前に友達が座禅に誘ってくれた。

その友達は、自宅からほど近いお寺で月一回の座禅に参加している。

番外編として、夜にお寺の敷地内にティピーという手作りのテントを張り

その中で焚火をして、それを囲んでの座禅会があるとのことだった。

 

この時期は今後の自分の生き方を考えてて、まるで私の気持ちを知っているかのようなタイミングだった。

あとで聞くと、そのときの私には必要だと、なんとなく思ってくれたらしい。

なにも話してなかったのに、友達のすごい直感。

 

そして参加することにした。

座禅も関心があったけど、焚火を囲んで・・・なんて魅力的、と思った。

 

初めてのことなのと、焚火の中、煙くて息苦しく、呼吸法とか教えてもらったけど、

なかなかうまく整わない。

それにいろいろなことを考えてることにも、はっとする。

そんなことを思っていると住職が、

 

「何か頭に浮かんでも、捨てておく」

 

と何度かおっしゃった。

この「捨てておく」という言葉が心にすっと入ってきた。

 

ニュアンスはなんとなくわかるけど、意味をうまく言葉にできなかったので調べてみた。

「そのままにしておく」「かまわないで放っておく」こと。

「捨てておく」と表現するのは、初めてで新鮮だった。

とても好きになった。

なんだか優しさがある。

捨ててしまわなくていいんだ、という気持ちになるから。

 

自分が何をどう感じてるのか向き合ってると、同じ意味でもしっくりくる言葉と、

そうじゃないのがわかってくる。

言葉ってすごいと思う。面白い。

 

魂の願いって言葉にしてみるととてもシンプルだと、ようやくわかってきた。

そういうことを知るためにも「捨てておく」は大切なんだろな。

 

 

 

座禅の帰り道。

ビールが飲みたい!という友達と、コーヒーを飲みたかった私はコンビニに寄った。

離婚をしようと思ってることを話した。

友達は涙を流していた。

心配と応援してくれる気持ちが混ざった感じがした。

ありがとう。

温かい涙だったな。

 

そして温かい時間だった。